院長長のご挨拶 公益財団法人十愛会 十愛病院 病院長 野崎秀次
今年度は各部署において、組織構成・人員配置などには種々の変更を行いました。
医局においては、11月末時点で、精神科は常勤医師3名・非常勤医師3名、他診療科5名という体制になっております。看護・支援職員体制も、適正化を計ったところです。
新年度は、さらに部門を問わずに、強く、質を意識した職員体勢を考えてまいります。
病棟部門においては、近年の横浜地域における社会福祉資源の充実があっても、入院治療を必要とされる方の課題は、行動障害の複雑化や高齢化問題など、年々高度なものになってきています。課題に応じてのアメニティの整備、地域生活に一層つながる良好な病室の構築・環境整備のため、新年度予算の作成に際しては、相当程度の予算を計上していく方針です。
外来部門は、多数の施設との嘱託業務を併せての活動であります。閉じた精神病院であってはならないという、かねてからの小生の理念を踏まえて、充実を図っていきます。ここ数年来の懸案である、デイケア部門の併設を視野に入れて、患者さんの日中活動の選択幅を広げていきたいと考えています。
また、時代の趨勢がそうであるように、本来、医師が担うべき業務と、種々のサポートスタッフあるいはシステムが担える業務を明確にし、新年度には、効率的、専門性の高いサービス提供体勢を確立していきます。
こうした中、ここ数年語り続けていることですが、当院を利用される方々に、ぜひご理解いただきたい点が3点ございます。
ひとつには、当院はあくまで療育的な対応を踏まえた精神神経科医療サービスを目標にしており、精神科救急部門はもたない機関であります。医療機関としての守備範囲を意識しています。私たちが身体疾病への安易な対応を行うことにより、患者の方たちが専門身体科の診療の機会を失うことがないように、日々心しております。
次には、いまなお、知的障がいという文字が患者さんの前段にあったとき、診療科目の違いや医療機関の規模の大小に関わらず診療現場で困難を体験する機会は少なくないのが現実と考えます。本来の当院の担う役割の一端を意識しつつ、スムースな診療体制が構築できるように、試行錯誤を繰り返していることをご理解ください。
3点目は、長期入院患者さんにとりまして、一定程度の医療対応の方向性を確立したのちには、適正な生活環境・地域生活への移行が大切である今日です。そのためになお一層、地域の種々の機関との連携を掘り下げていきます。
良質な医療サービスの提供は、医学的知識・技術は当然重要なことですが、基本的マナー意識が重要です。そして、医療安全、感染症対策、種々の情報管理など多岐にわたる課題をひとつひとつ丁寧な意識を持って取り組みながら、日々活動してまいります。
長くなりましたが、以上で私のご挨拶といたします。
平成28年3月7日
病院長略歴
- 昭和52年3月
- 聖光学院高等学校卒業
- 昭和59年3月
- 東京慈恵会医科大学卒業
- 昭和59年5月
- 東京慈恵会医科大学付属病院長直属小児科配属研修医
- 昭和61年4月
- 同上 終了
- 昭和61年4月
- 東京慈恵会医科大学小児科科学教室 医員
- 埼玉県立小児医療センター神経科 医員
- 平成元年7月
- 東京慈恵会医科大学小児科学教室 助手
- 同付属病院柏病院勤務(病棟医長・小児神経専門外来担当)
- 平成元年10月
- 同付属病院新橋校勤務(病棟医長・小児科神経専門外来担当柏病院小児神経専門外来兼任)
- 平成04年4月
- 財団法人十愛会十愛病院 医局長
- 平成04年6月
- 東京慈恵会医科大学小児科学教室 無給医員
- 財団法人十愛会十愛病院病院長
- (同相談室長・同常務理事)就任
- 平成24年6月
- 公益財団法人十愛会十愛病院 理事長(同病院長)就任
- 現在に至る
資格
- 医学博士
- 精神保健指定医
- 社団法人日本精神神経科学会 専門医/指導医
- 横浜市肢体不自由判定指定医
所属学会
- 日本精神神経科学会
- 日本小児科学会
- 日本小児神経学会
- 日本発達障害学会
嘱託医
- 社会福祉法人同愛会 てらん広場
- 社会福祉法人和枝福祉会 愛
- 社会福祉法人試行会 青葉メゾン
- 社会福祉法人くるみの会 ひかりの園
役員
- 公益財団法人十愛会(十愛病院)理事長
- 社会福祉法人十愛療育会(横浜療育医療センター)理事
- 社会福祉法人くるみ会 評議員
- 日本発達障害学会 評議員
- 発達障害者介護認定区分審査会 部会長